「水溶性食物繊維」「不溶性食物繊維」の多い食品一覧

2019.06.27

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食物繊維とは「ヒトの消化酵素で消化されない食品中の難消化性成分の総体」と定義されています。以前は体に必要なものだと考えられていませんでしたが、今では「第六の栄養素」として重要視されています。食物繊維は大きく分けて、水に溶ける「水溶性食物繊維」と水に溶けにくい「不溶性食物繊維」があり、同じ食物繊維でも特性が異なります。

 

水溶性食物繊維のはたらき

 

・粘着性があるため胃腸内での消化吸収をゆるやかにし、食後血糖の急激な上昇を防ぐ

・胆汁酸やコレステロールなどの有害物質を吸着し、体外に排泄する

・大腸内で発酵し、ビフィズス菌が増えることで、整腸効果がある

 

 

不溶性食物繊維のはたらき

 

・胃腸内で水分を吸収して膨らみ、糞便量を増やし便の排泄を促進

・腸の蠕動運動を活発にさせ、消化管を通過する時間を短縮させる→大腸ガン予防

・大腸内で発酵し、ビフィズス菌が増えることで、整腸効果がある(水溶性食物繊維より効果は低い)

 

このように水溶性・不溶性食物繊維は同じ食物繊維といえどはたらきが異なります。

例えば、高コレステロール血症・脂質異常症・糖尿病の方は不溶性よりも水溶性食物繊維の積極的摂取。便秘など排便を促したい方は水溶性よりも不溶性食物繊維の積極的摂取が勧められます。

 

 

食物繊維の1日の摂取量

 

ではいったいどれくらいの量の食物繊維を摂取する必要があるのでしょうか。

 

〔食物繊維の1日摂取目標量〕

年齢 男性 女性
18~64 21以上 18以上
65~74 20以上 17以上
75以上 20以上 17以上

※厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)より

 

この表をみて分かる通り、健康な方の1日の目標量は、成人男性21g/日以上・成人女性18g/日以上となります。目標量とは、生活習慣病の予防のために現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量のことをいいます。糖尿病の方ですと、20~25g/日以上の摂取が勧められています。

平成29年の国民健康・栄養調査によると、日本人の食物繊維の平均摂取量が14.4g/日となっており、全体的に不足の傾向にあるといえます。しかしこの目標量ですが、意識しないとなかなか超えることは難しい数値です。

例えば、キャベツ丸々1個分で食物繊維約19g/日ですので、毎日キャベツ丸々1個分の摂取をしていかなければ目標量を摂取し続けることができません。そのため、日ごろから食物繊維を多く含む食材を効率良く取り入れ意識的に摂取していく必要があります。

 

 

食物繊維の多い食品一覧

 

水溶性と不溶性ごとに食物繊維が多い食品をまとめました。

 

〔食物繊維が多い食品一覧表 100g当たり〕(g)

食物繊維が多い食品 水溶性 不溶性 総量(水溶性+不溶性)
オートミール 3.2 6.2 9.4
大麦 6 3.6 9.6
米(玄米) 0.7 2.3 3
そば粉 0.8 3.5 4.3
こんにゃく 0.1 2.1 2.2
さつまいも 0.5 1.8 2.3
さといも 0.8 1.5 2.3
あずき(全粒粉) 1.2 16.6 17.8
大豆(国産乾) 1.8 15.3 17.1
大豆(きな粉) 1.9 15 16.9
おから 0.3 9.4 9.7
糸引き納豆 2.3 4.4 6.7
オクラ 1.4 3.6 5
ごぼう 2.3 3.4 5.7
たけのこ 0.3 2.5 2.8
ほうれん草 0.7 2.1 2.8
にんじん 0.7 2.0 2.7
カリフラワー 0.4 2.5 2.9
切干大根 3.6 17.1 20.7
キウイフルーツ 0.7 1.8 2.5
干し柿 1.3 12.7 14
えのき 0.4 3.5 3.9
しめじ 0.3 3.4 3.7
わかめ(戻し) 5.6
寒天 80.9
あおのり 38.5

※七訂食品成分表2016より

 

穀類・芋類・大豆製品・野菜・きのこ・海藻などに多く含まれることが分かります。野菜は生のままだと多く食べる事ができないため、蒸したり、茹でたりすることで多く摂ることができますよ。食物繊維の多い食品を食卓に取り入れて、生活習慣病予防や健康の維持増進を目指しましょう。

 

 

MFSカロリー制限食には1食6.5g以上MFS塩分制限食には1食8.5g以上の食物繊維が入っています。なかなか充足することが難しい食物繊維の1日の目標量の1/3以上を摂ることができますよ。

 
 

 

 

 

 

情報提供元:メディカルフードサービス 管理栄養士

 

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