良質なタンパク質とは~食品中のアミノ酸スコア一覧~

2021.05.26

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タンパク質がしっかりと摂れていないと、筋肉が低下したり、髪や肌に必要な栄養が不足してしまいます。特に食事制限をしていたり、もともとの食事量が少ない場合はタンパク質の摂取量が不足しやすいため、食事を摂る時には「良質なタンパク質」を意識して摂りたいところです。

この「良質なタンパク質」とは一体どのようなタンパク質のことを指すのでしょうか。

 

良質なタンパク質とは

 

タンパク質は「アミノ酸」が結合してつくられています。自然界には多くのアミノ酸が存在しますが、私たちの身体を構成するアミノ酸は全部で20種類。アミノ酸のうち、体内で合成できないために、食事から摂取する必要がある9種類のアミノ酸を「必須アミノ酸」といいます。体内で合成できる残りの11種類のアミノ酸は「非必須アミノ酸」といいます。

 

<必須アミノ酸>9種類

バリン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン

 

<非必須アミノ酸>

グリシン、アラニン、セリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、アルギニン、システイン、チロシン、プロリン

 

良質なタンパク質とは、体内で合成することができない必須アミノ酸をバランスよく含むことを指します。必須アミノ酸のバランスが良いことを「アミノ酸スコアが高い」ともいいます。

※「アミノ酸スコア」とは、正確にいうと食品に含まれるアミノ酸含量を測定し、ヒトの必須アミノ酸必要量の基準と比較して求めます。この基準はFAO(国際連合食糧農業機関)・WHO(世界保健機関)・UNU(国連大学)が提案したものです。

 

注意点:例えば上のバリンだけ、ロイシンだけ多く含むというわけでなく、9種類全てのアミノ酸を豊富に含む食品をアミノ酸スコアが高いと表現します。

 

 

腎臓病ではなぜ「良質なタンパク質」の摂取が必要?

 

腎臓病食事療法中は、タンパク制限を行うため、摂取できる1日のタンパク質量が限られますよね。

タンパク質は身体を構成し、機能を維持する栄養素です。

「タンパク制限中に筋肉が落ちてしまって・・・」という相談もよくありますが、制限しているので落ちてしまいやすい状況には変わりありません。

そのため、タンパク制限中に摂取するタンパク質は、体内のタンパク質を合成するために必要な「必須アミノ酸をバランス良く含む食品=アミノ酸スコアが高い食品」を選んで摂ることが必要なのです。

必須アミノ酸をバランス良く含んでいると、臓器・筋肉・皮膚・毛髪・爪など体内のタンパク質を合成するために必要なタンパク質が効率良く摂れるのです。筋肉が落ちてしまっているのが気になるというときは、体タンパクを効率よく合成できるアミノ酸スコアの高い食品を選んで摂ることが必要です。

 

 

食品のアミノ酸スコア一覧

 

それでは、アミノ酸スコアが高い食品とはどういった食品なのでしょうか。※アミノ酸スコア100が満点

 

動物性食品のアミノ酸スコア

食品 アミノ酸スコア
鶏肉 100
牛肉 100
豚肉 100
牛乳 100
鶏卵 100
あじ 100
まぐろ 100

 

植物性食品のアミノ酸スコア

食品 アミノ酸スコア
小麦 42
玄米 64
精白米 61
そば粉(全層粉) 100
大豆 100

*1985年(FAO/WHO/UNU)の評価パターンより算出

 

このようにみると、植物性食品よりも動物性食品の方が、アミノ酸スコアが高い傾向にあります。

 

 

アミノ酸スコアが低い食品も食べ方工夫でスコア改善!

 

食品中のたんぱく質に含まれる必須アミノ酸の中に少ない必須アミノ酸があると、アミノ酸スコアは1 番少ない必須アミノ酸に合わせて低くなり、体内のたんぱく質の利用に使われにくくなります。その場合は、不足している必須アミノ酸を他の食品から摂ることで、体内では不足せずに補うことができます。

 

例えば、精白米の場合「リシン」という必須アミノ酸が少なくなっています。トウモロコシや小麦など穀類はリシンが少ない傾向にあります。そのため、リシンを多く含む「かつおぶし」や「しらす」ご飯にかけて食べたり、「大豆」煮物を副菜に摂り入れたりして、食事内で必須アミノ酸を補うようにしましょう。

アミノ酸スコアが低い食品であっても、他の食品と一緒に摂ることでアミノ酸スコアを改善することができるため、色々な食品を組み合わせて食事を摂るというのは、タンパク質の利用効率を高めるためにも大切なことといえます。

 

 

情報提供元:メディカルフードサービス 管理栄養士

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