胃の手術後の食事ポイント
2020.01.17
胃がんの罹患数は、男性では1位、女性では3位。罹患数の多いがんといえます。また、近年では糖尿病が胃がんのリスクとなることが確認されています。今回は胃がんなどで手術をした後のお食事の食べ方の工夫点についてお伝えいたします。
胃がんの術後はダンピング症候群などによる食後のめまい、動悸、脱力感など不快感や長期にわたり合併症を抱えることが多いです。ダンピングとは食べ物が胃に貯留されず、そのまま腸に落ちることをいい、このダンピングによって引き起こされる不快な症状をダンピング症候群といいます。
そのため、食事の摂り方を工夫し、このような症状と上手く付き合い、コントロールしていくことが大切です。
■ 食べ方の工夫ポイント
・分割食にする
1日3食プラス間食を2~3回といった形で1日に5~6回に食事を分けて食べましょう。和菓子のように糖質が主体となっている食品ではなく、ヨーグルトや乳酸菌飲料、蒸しパン、バターロール、お芋、プリン、バナナなど、比較的糖質が少ないような間食をとりいれると良いでしょう。胃が慣れてきたら、徐々に1日3回の食事に近づけましょう。※個人差があります。
・よく噛んでゆっくり時間をかけて食べる
胃術後は、胃を切った分、食べたものが素早く十二指腸や小腸に流入するため、早食い・食べ過ぎは、血糖値が急上昇しやすく高血糖状態を引き起こしたり、その影響で血糖を下げようとインスリンの過剰分泌によって今度は低血糖になってしまったり、体調不良をおこしやすい状態になります。消化吸収をゆっくりと進めるためにも、20~30分かけてよく噛んで食べましょう。また、食事を流し込んで食べないように、食事中の水分摂取は抑えめにしましょう。
・食べてすぐに横にならない
少しでもゆっくりと消化をし、逆流などを防止するためにも食後の姿勢は大切です。食後30分くらいは座位を保つようにしましょう。
さて、どうだったでしょうか。
個人差がありますが、術後3カ月程度は食べ方に気を付けてダンピング症候群などの不快な症状を防止しましょう。
胃の手術後で自宅での食事が心配な方はMFSやわらか食がお勧めです。食物繊維も通常のお食事と比べて少なくやわらかく仕上げている分、消化には優しいお食事です。成人の方ですとエネルギー量が少ないため、分割食で間食を召し上がって頂くと丁度よく調整ができます。ご相談ください。
情報提供元:メディカルフードサービス 管理栄養士